関西学院大学 現代民俗学 島村恭則研究室

関西学院大学大学院 現代民俗学 島村恭則研究室

島村ゼミ卒業論文要旨集

クスノキと名づけ―藤白神社・王子神社・楠御前八柱神社の事例― 

岩渕香奈 【要旨】 本研究は、「楠」を用いた名づけの風習について、藤白神社(和歌山県海南市)、王子神社(和歌山県紀の川市)、楠御前八柱神社(三重県志摩市)をフィールドに実地調査等を行うことで、「楠」を用いた名づけの風習のはじまりや現状を明らかにし…

天照教の形成と展開ー北海道で生まれた新宗教ー

光田凌樹 【要旨】 本研究は、北海道室蘭市の天照教について、室蘭市をフィールドに実地調査を行うことで、天照教が宗教としてどのように形成され、展開してきたかを明らかにしたものである。本研究で明らかになったのは次のとおりである。 助産婦であった泉…

家の歴史が忘れられるとき ー今井酒造を事例としてー

今井美希 【要旨】 本研究は、今井酒造を中心に見た今井家の歴史に対する観点から、今井家の歴史の忘却の背景について明らかにしたものである。今井酒造とは、所在地を兵庫県姫路市とし、私の叔父邦雅が社長を務める会社で、約140年の歴史がある。父達也、父…

離島のくらしと郵便局 -長崎県対馬市曽郵便局の事例―

平江 真紀 【要旨】 本研究は、長崎県対馬市の曽郵便局をフィールドに実地調査を行い、郵便行政の末端であり、かつ地域における一つの自律した世界を構築している「特定郵便局」の実態を記述したものである。本研究で明らかになった点は、以下の通りである。…

焼物のまちと陶器市ー京都・五条坂と清水焼団地の事例ー

田中香帆 【要旨】 本研究は、京都の陶器市について、京都市東山区の五条坂と山科区の清水焼団地をフィールドに実地調査を行うことで、焼物の町における陶器市とはどのようなものであるのか、町の人々から陶器市はどう扱われてきたのかということを、都市民…

大須と浅草 ー観音のまちの比較研究ー

宮本 悠花 【要旨】 本研究は、愛知県名古屋市に位置する大須と東京都台東区に位置する浅草をフィールドに寺と神社、祭り、盛り場の3つの視点から調査を行い、門前町として栄えた2つの観音のまちを比較することで、今日に至るまでにどのように形成、発展した…

大庄屋堀家と龍野の醤油業 ー近世から近代への移行はいかになされたかー

福井雄一郎 【要旨】 本研究は、大庄屋堀家と龍野の醤油業の関わりについて、たつの市をフィールドに実地調査を行う事で、両者の関係を明らかにしたものである。 1.江戸時代の堀家 堀家とは、現たつの市龍野町日飼にある、江戸時代にこの地域の大庄屋を務め…

位山信仰の研究 ―岐阜県高山市の聖地をめぐって―

位山信仰の研究―岐阜県高山市の聖地をめぐって― 堀口 裕哉 【要旨】本研究は、岐阜県高山市に位置する位山及びその周辺地域にて実地調査を行うことにより、位山を中心に展開されている多数の信仰を分析し、太古より聖地としての側面を持つ位山が、今日に至る…

「TSF」の構造―ウェブ上の投稿小説における構造的共通性―

伊藤 環 【要旨】 本研究は、インターネット上に投稿された個人製作の「TSF」と呼ばれる男性から女性への変身などを題材とした小説について、インターネット上の個人サイトおよび投稿サイトをフィールドとして分析を行うことで、これらの小説に共通する構造…

白山修験と川上御前―越前市五箇における「神仏分離」と歴史の解釈―

山内鳳将 【要旨】 本研究は、大瀧神社・岡太神社における神仏分離後の信仰と神事について、越前市五箇地区をフィールドに実地調査を行うことで、現地におけるその歴史の解釈を明らかにしたものである。本論文で明らかになったのは以下の点である。 1. 明…

ユダヤ人を生きるーある神戸在住イスラエル人の生ー

大石桃子 【要旨】 本研究は、神戸在住イスラエル人であるモシャ・ジノ氏のライフヒストリーを通して、在日ユダヤ人の生の在り方について考察したものである。本研究で明らかになった点は、つぎのとおりである。 1. ユダヤ人にとって、家族のルーツは自己の…

講と人びと―加古川市八幡町宗佐の事例―

織田怜奈 【要旨】本研究は、現代における講について兵庫県加古川市八幡町宗佐をフィールドに実地調査を行なうことで、その実態を明らかにしたものである。本研究で明らかになった点は、次のとおりである。 1.宗佐において現在でも活動している講は、稲荷…

ハッシュタグ(#)が生み出すフォーク・アイディア ーInstagramにおける花嫁コミュニティの事例ー

【要旨】 以上、本研究では、Instagram上の花嫁コミュニティを主なフィールドに、花嫁コミュニティ内で生まれ続けるフォーク・アイディア(フォークロアとして何らかの社会的コンテクストを共有する人びとの間で生み出され、生きられるアイディア)について…

両替商のゆくえ-奈良県桜井市における商家の近代-

植田悠渡 【要旨】 本研究は、奈良県桜井市と大和高田市に店を構える服地屋「ぜに宗」で実地調査を行ない、代表者の小西宗日出氏と小西一恵氏にお話を伺うことで、時代・人々の流れや扱う商品の変化に対応してどのように商売を続けてきたのか、そして呉服・…

「物忌」のゆくえ ―伊豆諸島における来訪神伝承の消長―

辻涼香 【要旨】 本研究は伊豆諸島において行われている物忌行事と、物忌の日に現れる「来訪者」にまつわる伝承について、伊豆大島・神津島をフィールドに実地調査を行ない、人々の立場に注目し、伝承の動向を解き明かすことを目的とする。行事に関わる人々…

寿司職人の民俗学的研究―N氏のライフヒストリーから―

畠澄代 【要旨】 本論文は、現代で活躍する職人の中でも寿司職人を対象にし、埼玉県春日部市の寿司職人Nのライフヒストリーを通じて、寿司職人が修業時代に修得する慣習や職人気質を明らかにしたものである。本論文で明らかになった点は、以下のとおりである…

ファンダムのフォークロア ―SNSにおける相互行為と表現文化―

岩野亜美 【要旨】 本研究は、ファンダムの行動傾向について、SNSツールを用いて調査することにより、ファンダムがどのように集い、変化し、社会に影響を与えるのかを明らかにしたものである。本研究で明らかになった点は、次のとおりである。 1.不特定多数…

民俗学とは何かーマンガ表現による民俗学ー

常数唯 【要旨】 本稿は、民俗学について、マンガという表現方法を用いることで、民俗学に馴染みがなかった人も興味持ち、理解を深めることを目指したものである。また執筆にあたり、重視した点は以下のとおりである。 1.民俗学に馴染みがなくても入り込みや…

行商のゆくえ―佐賀市大和町「味の中島屋」の来歴―

吉岡未央 【要旨】 本研究は、佐賀県佐賀市大和町にある「味の中島屋」をフィールドとして調査を行うことで、大和町やその周辺での行商の在り方、及び行商が形を変えて現在に至るまでの軌跡を解明したものである。 本研究で明らかになったことは、以下の点で…

京町家を改修する ―京都市西京区樫原の事例から―

船登大輝 【要旨】 本研究は、京都市西京区樫原をフィールドに、京町家の改修について調査を行なうことで、町並み保存に関わる制度や法が実際にどのように生きられているのかについて明らかにしたものである。本研究で明らかになった点は、次のとおりである…

ミナミのタバコ屋ー大阪市中央区難波「司光」の世界ー

高樋凌平 【要旨】 本研究は、大阪市中央区難波の煙草屋「司光」をフィールドに実地調査を行うことで、130年間存続している煙草屋の歩みを明らかにしたものである。本研究で明らかになった点は、次のとおりである。 岡村商店の創業者である岡村定次郎氏は、…

砂丘のムラに生きる―らっきょう農家に嫁いだ一女性のライフヒストリー―

井本佳奈 【要旨】 本研究は、鳥取市福部町のらっきょう農家に嫁いだ香川佐江子氏のライフヒストリーに関して調査を行ない、同氏が砂丘地のムラでどのような人生を送ってきたかについて明らかにしたものである。 本研究で明らかになった点は、以下のとおりで…

商いの消長 ―豊中市服部にみる地域の変貌と商業の展開―

藪下華奈 【要旨】 本研究は、豊中市服部をフィールドに、この地で商いを展開してきた半田修二氏と上芝茂樹氏の2人のライフヒストリーをとりあげ、これを時代とともに変化する服部の町の様子と照らし合わせて解明したものである。本研究で明らかになった点は…

民俗学者の形成 ―北海道民俗学者阿部敏夫のライフ・ヒストリー―

山田彩世 【要旨】 本論文は、ある一人の民俗学者に焦点を当て、在野のフィールドワーカーとして生活の当事者の目線で研究するとはどういうことなのか、ということを阿部敏夫という一人の学者を取り上げて明らかにしたものである。 本研究で明らかになった点…

「世界」と「血統」 ―戦後日本競馬における神話の消長―

和田康太郎 【要旨】 本論文は、日本競馬界における「世界挑戦・血統の神話」について、主に雑誌や新聞、テレビ中継などの競馬メディアを用いて時代を追って紹介しつつ、その生成や発展にどのような背景があったかを考察し、その消長の歴史、そして今後の展…

伸線の水車と薬種の水車―生駒山西麓の事例―

松本瑚夏 【要旨】 本論文では、生駒山西麓で発展していた水車業について、豊浦谷の伸線水車、辻子谷の薬種水車2つの事例を中心に取り上げ、文献調査・聞き取り調査を行い両者の差について明らかにしたものである。本論文で明らかになったのは以下の点である…

おちょぼさん―岐阜県海津市千代保稲荷神社の信仰をめぐって―

信田実希 【要旨】 本研究は、岐阜県海津市平田町に位置する千代保稲荷神社をフィールドに、神社が定める「公式儀礼」と門前町に住む人々や参拝に訪れる人々によって生み出された「信仰習俗」について実地調査を行い、その実態を明らかにしたものである。本…

消失する花街の風景ー大阪府住吉・住之江区「住吉新地」の事例ー

山田美玖 【要旨】 本研究は、大阪府住之江・住吉区において存在した「住吉新地」について、文献調査及び実地調査によって、江戸時代から現代に至るまでの変遷を記述したものである。本研究で明らかになったのは以下の点である。1、住吉新地は元々、住吉大社…

造花百年史―ニューホンコン造花と東京大西造花装飾―

造花百年史―ニューホンコン造花と東京大西造花装飾―松岡 有紀 【要旨】本論文では現代生活で欠かすことのできない「造花」を扱う人々が、100年間の中でどのように造花を造り、売り出してきたのか、その変遷の歴史や現状を、大阪をフィールドに実施調査を行う…

市電を動かした人々ー京都市交通局の事例ー

社会学部 菊井大希 【要旨】 本研究はかつて京都市の主要な交通機関であった市電に、運転士・車掌として乗務された方々の語りを通じて、京都市電における乗務員の市電を動かす技を明らかにしたものである。本研究で明らかになった点は、以下の通りである。 1…