関西学院大学 現代民俗学 島村恭則研究室

関西学院大学大学院 現代民俗学 島村恭則研究室

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ミンゾク(民俗)とは

2021年度共通テスト国語で出題された「ミンゾク」とは? 人びと(民)の「俗なるもの」のことです。 <俗>とは、①支配的権力になじまないもの、②近代的な合理性では必ずしも割り切れないもの、③公式的な制度からは距離があるもの、などをさしています。 詳…

クスノキと名づけ―藤白神社・王子神社・楠御前八柱神社の事例― 

岩渕香奈 【要旨】 本研究は、「楠」を用いた名づけの風習について、藤白神社(和歌山県海南市)、王子神社(和歌山県紀の川市)、楠御前八柱神社(三重県志摩市)をフィールドに実地調査等を行うことで、「楠」を用いた名づけの風習のはじまりや現状を明らかにし…

天照教の形成と展開ー北海道で生まれた新宗教ー

光田凌樹 【要旨】 本研究は、北海道室蘭市の天照教について、室蘭市をフィールドに実地調査を行うことで、天照教が宗教としてどのように形成され、展開してきたかを明らかにしたものである。本研究で明らかになったのは次のとおりである。 助産婦であった泉…

家の歴史が忘れられるとき ー今井酒造を事例としてー

今井美希 【要旨】 本研究は、今井酒造を中心に見た今井家の歴史に対する観点から、今井家の歴史の忘却の背景について明らかにしたものである。今井酒造とは、所在地を兵庫県姫路市とし、私の叔父邦雅が社長を務める会社で、約140年の歴史がある。父達也、父…

離島のくらしと郵便局 -長崎県対馬市曽郵便局の事例―

平江 真紀 【要旨】 本研究は、長崎県対馬市の曽郵便局をフィールドに実地調査を行い、郵便行政の末端であり、かつ地域における一つの自律した世界を構築している「特定郵便局」の実態を記述したものである。本研究で明らかになった点は、以下の通りである。…

焼物のまちと陶器市ー京都・五条坂と清水焼団地の事例ー

田中香帆 【要旨】 本研究は、京都の陶器市について、京都市東山区の五条坂と山科区の清水焼団地をフィールドに実地調査を行うことで、焼物の町における陶器市とはどのようなものであるのか、町の人々から陶器市はどう扱われてきたのかということを、都市民…

大須と浅草 ー観音のまちの比較研究ー

宮本 悠花 【要旨】 本研究は、愛知県名古屋市に位置する大須と東京都台東区に位置する浅草をフィールドに寺と神社、祭り、盛り場の3つの視点から調査を行い、門前町として栄えた2つの観音のまちを比較することで、今日に至るまでにどのように形成、発展した…

大庄屋堀家と龍野の醤油業 ー近世から近代への移行はいかになされたかー

福井雄一郎 【要旨】 本研究は、大庄屋堀家と龍野の醤油業の関わりについて、たつの市をフィールドに実地調査を行う事で、両者の関係を明らかにしたものである。 1.江戸時代の堀家 堀家とは、現たつの市龍野町日飼にある、江戸時代にこの地域の大庄屋を務め…

位山信仰の研究 ―岐阜県高山市の聖地をめぐって―

位山信仰の研究―岐阜県高山市の聖地をめぐって― 堀口 裕哉 【要旨】本研究は、岐阜県高山市に位置する位山及びその周辺地域にて実地調査を行うことにより、位山を中心に展開されている多数の信仰を分析し、太古より聖地としての側面を持つ位山が、今日に至る…

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