光田凌樹
【要旨】
本研究は、北海道室蘭市の天照教について、室蘭市をフィールドに実地調査を行うことで、天照教が宗教としてどのように形成され、展開してきたかを明らかにしたものである。本研究で明らかになったのは次のとおりである。
- 助産婦であった泉波希三子、小学校教員であった泉波秀雄によって立教された。
- 初代管長泉波秀雄の病気の療養中、宗教に救いを求めた泉波希三子が御嶽教照浜教会の浜口テリ先生と出会い、弟子入りしたことが、天照教の発端である。
- 御嶽教照浜教会での修行中、天照大御神、大国大神、恵美須大神から「ご神言」があり、この3神を信仰対象とした。
- 立教当初の布教手段は、「神様からのおたより」が中心であり、それが現在も天照教の「おみくじ」として継承されている。
- 信仰の拠点は、神様からの厳命によって、室蘭市になった。
- 立教から柏木町の神殿建立を経て現在に至るまで、多くの困難と熱心な信徒の方々の協力があった。
- 海外布教に関しては、ブラジルとハワイで広く展開されてきた。
- 信徒の方々の体験談にあるように、天照教が発展し続けた理由として、教祖・初代管長の人柄、霊的な力が大きく関係しているといえる。
- 現在も泉波希久子教主のもと、天照教は発展し続けている。
【目次】
序章
第1章 立教以前
第1節 泉波秀雄と泉波希三子
第2節 管長の療養・浜口テリとの出会い
第3節 御嶽教照浜教会での修行
第2章 立教後の歩み
第1節 6畳の神殿
第2節 本輪西の神殿
第3節 布教と分教会
第4節 柏木町で現在の神殿建立
第5節 海外布教と代替わり
第3章 信徒と体験談
第1節 信徒 今村清子さんの語り
第2節 信徒 寺下悦子さんの語り
第3節 「天照教五十年史」より信徒の語り
第4節「人生を好転させる「因縁」をつかめ」より信徒の語り
第5節「ノストラダムス 神界からの大警告」より信徒の語り
第4章 京都での展開
結語
謝辞
参考文献
【本文写真から】
【謝辞】
本論文は、天照教本部、南京都支部の皆様のご協力があってはじめて完成させることができました。泉波希久子教主、室蘭本部神官の塚越正敏氏、同じく成田和弘氏、多くの信徒のみなさまに深くお礼申し上げます。