関西学院大学 現代民俗学 島村恭則研究室

関西学院大学大学院 現代民俗学 島村恭則研究室

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

活版の消長―神戸をフィールドとして―

活版の消長―神戸をフィールドとして― 佐野友莉香【要旨】本研究は、現在の日本においてほんのわずかとなった活版印刷と、年々増加する経営難から廃業する印刷所について、神戸をフィールドに、その技術が辿った消長の流れに個性を発見することを目的とした。…

神社の移転と祭りの変化 ―京都市・淀の事例―

佐藤 あかね【要旨】本研究は京都市伏見区淀本町にある與杼神社の秋季祭「淀祭り」を対象に、祭祀圏をフィールドに実地調査を行い、淀祭り・神輿渡御を構成する諸団体の時代による変化と変遷を記述したものである。本研究で明らかになった点は、次のとおりで…

柳ヶ瀬と映画‐映画と人びとをめぐる都市民俗誌‐

柳ヶ瀬と映画‐映画と人びとをめぐる都市民俗誌‐ 廣瀬彩乃 【要旨】 本研究は、岐阜県柳ケ瀬をフィールドに実地調査を行うことで、柳ケ瀬の形成、柳ケ瀬と映画館、人びとにとっての映画という存在を明らかにした。本調査で明らかになった点は、次の通りである…

染色補正師の技と芸―シミ抜き・直しと抜染絵画―

染色補正師の技と芸―シミ抜き・直しと抜染絵画― 高原由衣 【要旨】本研究は染色補正師の抜染絵画について、京都・九州をフィールドに実地調査を行うことで、抜染絵画を明らかにしたものである。本研究で明らかになった点は以下の通りである。1、染色補正師と…

水上市場の民俗誌ー大和高田市・池ノ側公設市場の事例ー

坂口一馬【要旨】 本研究は奈良県大和高田市をフィールドに調査を行い、池ノ側公設市場について記述したものである。 本研究では1996年に取り壊されるまでの池ノ側公設市場の発展と消滅について明らかにしたものである。本研究で明らかになった点は以下…

萬弘寺の市と浜の市―大分における市の伝承―

萬弘寺の市と浜の市―大分における市の伝承― 渡邉紫帆【要旨】 本研究では、大分県の、萬弘寺にて行われる萬弘寺の市、柞原八幡宮にて行われる浜の市、以上2つの市の歴史やかつての市の賑わいの様子から、昔と現在の市の役割や交易の変化を明らかにする。本研…

「日本デンマーク」の消長 −愛知県旧碧海郡地域の農村と農業ー                        

加藤佐代子【要旨】 本論分は、愛知県旧碧海郡をフィールドに、「日本デンマーク」について文献および現地調査を行うことで、「日本デンマーク」と人々の関わり方を明らかにしたものである。本研究で明らかになった点は、次のとおりである。1. 近代以前の碧…

フィンランド人宣教師の宗教・生活誌―西宮南ルーテル教会をフィールドとして―

【要旨】 本研究は兵庫県にある西宮南ルーテルキリスト教会をフィールドに、日本におけるフィンランド人宣教師の宗教・生活世界を明らかにしたものである。 本研究では、フィンランド人宣教師で、初期の日本での開拓伝道に尽力した、ヨルマ・ピヒカラ師、そ…

土の霊力と土地の神―土をめぐる信仰の民俗誌―

土の霊力と土地の神―土をめぐる信仰の民俗誌― 山根琴代 【要旨】 本研究は、土に関する信仰について事例を集め、それらを「土の霊力に対する信仰」と「土地を守護する神への信仰」の2つに分類したものである。本研究で明らかになった点は次のとおりである。…

葛城修験の宗教民俗誌

葛城修験の宗教民俗誌芝野さくら【要旨】 本研究は、葛城修験の歴史・宗教実践について、犬鳴山七寶瀧寺、犬鳴山修験道をフィールドに実地調査を行うことで、葛城修験の衰勢や復興の歴史、その中で功績を残した人々、犬鳴山修験道で実践される葛城修験の現状…

「腕守り」の民俗誌

【要旨】 本研究は、兵庫県播州地域をフィールドに、播州の人々とそこで行われる秋祭り、また秋祭りで使われる「腕守り」というお守りとの関係について調査を行い、腕守りの広がりや変化の経緯、そこに介在する播州の人々の祭りへの思いを論じたものである。…

婚姻仲介の民俗学

婚姻仲介の民俗学辻井理夏子 【要旨】 日本では古来より、婚姻の際に、男女の間に立って仲をとりもつ婚姻仲介人が存在し、主に「仲人」や「世話役」と呼ばれている。本研究では、婚姻仲介人について、大阪府と三重県をフィールドに実地調査と文献調査を行な…

歴史の発見と祭りの再構築―貝塚市・櫛まつりの事例から―

歴史の発見と祭りの再構築―貝塚市・櫛まつりの事例から―門谷真衣【要旨】 本論文は貝塚市においておよそ80年ぶりに開催された櫛まつりを例として、歴史の発見をきっかけに櫛まつりが再構築されるまでの一連の流れおよび櫛まつりと櫛職人との関わりについて…

加賀鳶梯子登りの芸能民俗誌−秘伝・マニュアル・個別性−

【要旨】 「加賀鳶はしご登り」とは、江戸時代に火消が火災現場で高いはしごを立て、頂上から火事の状況や風向き、建物の状況を確かめたことに始まり、さらには高所での作業を行うための訓練、度胸勇気をつけるためにも行われたと言われている。現在は27種の…

開発と竹林―千里地区の事例から―

開発と竹林―千里地区の事例から― 山崎晴香【要旨】 本論文では大阪府の千里丘陵をフィールドに実地調査を行い、昭和30年代千里が開発される前までコメの栽培が難しいこの地で収入源となっていたタケノコおよびそのもととなる竹林が開発による大きな減少を経…

長浜の「蛇の舞」—雨乞い儀礼から芸能へ—

佐久間祐希 【要旨】 本研究は、滋賀県長浜市永久寺町をフィールドに、「蛇の舞」を継承する「蛇組」を主な調査対象として実地調査を行うことで、その起源、そして一つの雨乞いが芸能へと昇華されていくまでの過程を明らかにしたものである。本研究において…

蔵の民俗誌―大阪市鶴見区旧古宮村の事例―

【要旨】 本論文は、大阪市鶴見区旧古宮村をフィールドとして、この地域一帯における旧農家の蔵について聞き取り調査を行うことで、農家であった頃の水路を利用する日常生活と、その暮らしの中での蔵への関わり方について記述したものである。本研究で明らか…

都市修験の民俗誌―名古屋市・倶利加羅不動寺の事例―

都市修験の民俗誌―名古屋市・倶利加羅不動寺の事例 中村優花【要旨】 本研究は、名古屋市守山区にある倶利加羅不動寺をフィールドに実地調査を行うことで、都市における修験とシャーマニズムのあり方を明らかにしたものである。本研究で明らかになった点は、…