関西学院大学 現代民俗学 島村恭則研究室

関西学院大学大学院 現代民俗学 島村恭則研究室

2020-01-12から1日間の記事一覧

白山修験と川上御前―越前市五箇における「神仏分離」と歴史の解釈―

山内鳳将 【要旨】 本研究は、大瀧神社・岡太神社における神仏分離後の信仰と神事について、越前市五箇地区をフィールドに実地調査を行うことで、現地におけるその歴史の解釈を明らかにしたものである。本論文で明らかになったのは以下の点である。 1. 明…

ユダヤ人を生きるーある神戸在住イスラエル人の生ー

大石桃子 【要旨】 本研究は、神戸在住イスラエル人であるモシャ・ジノ氏のライフヒストリーを通して、在日ユダヤ人の生の在り方について考察したものである。本研究で明らかになった点は、つぎのとおりである。 1. ユダヤ人にとって、家族のルーツは自己の…

講と人びと―加古川市八幡町宗佐の事例―

織田怜奈 【要旨】本研究は、現代における講について兵庫県加古川市八幡町宗佐をフィールドに実地調査を行なうことで、その実態を明らかにしたものである。本研究で明らかになった点は、次のとおりである。 1.宗佐において現在でも活動している講は、稲荷…

ハッシュタグ(#)が生み出すフォーク・アイディア ーInstagramにおける花嫁コミュニティの事例ー

【要旨】 以上、本研究では、Instagram上の花嫁コミュニティを主なフィールドに、花嫁コミュニティ内で生まれ続けるフォーク・アイディア(フォークロアとして何らかの社会的コンテクストを共有する人びとの間で生み出され、生きられるアイディア)について…

両替商のゆくえ-奈良県桜井市における商家の近代-

植田悠渡 【要旨】 本研究は、奈良県桜井市と大和高田市に店を構える服地屋「ぜに宗」で実地調査を行ない、代表者の小西宗日出氏と小西一恵氏にお話を伺うことで、時代・人々の流れや扱う商品の変化に対応してどのように商売を続けてきたのか、そして呉服・…

「物忌」のゆくえ ―伊豆諸島における来訪神伝承の消長―

辻涼香 【要旨】 本研究は伊豆諸島において行われている物忌行事と、物忌の日に現れる「来訪者」にまつわる伝承について、伊豆大島・神津島をフィールドに実地調査を行ない、人々の立場に注目し、伝承の動向を解き明かすことを目的とする。行事に関わる人々…

寿司職人の民俗学的研究―N氏のライフヒストリーから―

畠澄代 【要旨】 本論文は、現代で活躍する職人の中でも寿司職人を対象にし、埼玉県春日部市の寿司職人Nのライフヒストリーを通じて、寿司職人が修業時代に修得する慣習や職人気質を明らかにしたものである。本論文で明らかになった点は、以下のとおりである…

ファンダムのフォークロア ―SNSにおける相互行為と表現文化―

岩野亜美 【要旨】 本研究は、ファンダムの行動傾向について、SNSツールを用いて調査することにより、ファンダムがどのように集い、変化し、社会に影響を与えるのかを明らかにしたものである。本研究で明らかになった点は、次のとおりである。 1.不特定多数…

民俗学とは何かーマンガ表現による民俗学ー

常数唯 【要旨】 本稿は、民俗学について、マンガという表現方法を用いることで、民俗学に馴染みがなかった人も興味持ち、理解を深めることを目指したものである。また執筆にあたり、重視した点は以下のとおりである。 1.民俗学に馴染みがなくても入り込みや…