関西学院大学 現代民俗学 島村恭則研究室

関西学院大学大学院 現代民俗学 島村恭則研究室

市場街の生活誌−佐世保市戸尾市場街をフィールドとして−

市場街の生活誌−佐世保市戸尾市場街をフィールドとして−
中野美菜

【要旨】
 本研究は市場街の変遷と現状、生活について、佐世保市戸尾市場街をフィールドに実地調査を行うことで、市場街の成り立ちと変遷、市場街で暮らす人々の生活を明らかにしたものである。明らかになった点は以下の通りである。

1、戸尾市場街は5つの市場から成る市場街である。
2、戸尾市場街の前身は戦前に設置された京町公設市場であった。
3、戦後、戸尾市場街は闇市として再出発し、露店が多く存在していた。
4、西海市場は、小佐世保川が流れる暗きょの市場である。
5、とんねる横丁は戦後、防空壕跡を利用した市場であり、創業当時は18軒全てが食堂であったが、現在食堂は2軒だけになっている。
6、5つの市場はそれぞれに特徴があり、役割をもって現在も人々に親しまれ続けている。

【目次】

序章――――――――――――――――――――――――――――――――――1
はじめに.............................1

第1章 佐世保と市場―――――――――――――――――――――――――――2

第1節 佐世保市の概況......................2
 (1)地理的位置 2
 (2)政治及び経済的位置 2 
 (3)人口と戸数の推移 2
 (4)産業別人口と佐世保市の性格 3
 (5)繁華街の移動と発展 3
 (6)地質と地形 4
第2節 佐世保市の市場と歴史...................5
 (1)日本における市場の起こり 5
 (2)佐世保における市場の起こり 6
 (3)公設市場の誕生 7
 (4)中央卸売市場 8

第2章 戸尾市場街――――――――――――――――――――――――――10

第1節 戸尾市場........................10
 (1)戸尾市場の起こり〜終戦 10
 (2)火災 11
 (3)終戦〜昭和40年代 11
 (4)昭和50〜60年代 14
 (5)現状 15
第2節 西海市場.........................15
 (1)西海市場の起こり〜終戦 15
 (2)終戦〜昭和40年代 17
 (3)昭和50〜60年代17
 (4)現状 17
第3節 とんねる横丁.......................18
 (1)とんねる横丁の起こり 18
 (2)終戦〜昭和40年代 18
 (3)昭和50〜60年代 20
 (4)現状 21
第4節 エプロン市場.......................21
 (1)エプロン市場の起こり〜昭和60年代 21
 (2)現状 23
第5節 三角市場.........................23
 (1)三角市場の起こり〜昭和60年代 23
 (2)現状 24

第3章 戸尾市場街の人々 ―ライフヒストリー― ――――――――――――――26

第1節 大福屋 江崎和子さん...................26
第2節 四軒目食堂 福沢波江さん.................27
第3節 橋本野菜店 橋本エイさん.................28
第4節 本田蒲鉾店 本田富男さん.................30

まとめ――――――――――――――――――――――――――――――――――33

総括................................36

資料・写真一覧――――――――――――――――――――――――――――――37

文献一覧―――――――――――――――――――――――――――――――――57

【本文写真から】

(写真1)戸尾市場街の様子。

(写真2)とんねる横丁。

(写真3)暗きょになっている西海市場。

























【謝辞】
 調査の実施にあたり貴重な時間を割いて協力してくださった、郷土史研究家の筒井隆義さん、佐世保市産業振興課の金子さん、とんねる横丁の江崎和子さん、福沢波江さん、福沢成功さん、西海市場の本田富男さん、戸尾市場の橋本エイさんに深く感謝致します。
 その他戸尾市場街の方々や佐世保市民の方々など、多くの方々にインタビューやお話を伺わせて頂きました。これらを快く引き受けて頂き、深く感謝致します。協力していただいた皆様へ心から感謝の気持ちと御礼を申し上げます。