関西学院大学 現代民俗学 島村恭則研究室

関西学院大学大学院 現代民俗学 島村恭則研究室

Ⅰ.3−10月7日

一日の流れ

9:00 花蓮に向けて出発
13:00 タイヤル族の村へ
17:30 タイヤル族の村出発、花蓮
19:00 アミ族文化村到着
21:00 夕食


 朝、ホテルから出ると目の前に大きな貸し切りバスが。台湾のバスはなぜかカーテンがふりふりのものが多いようです。

私たちはこのバスで花蓮へと向かいます。



 台湾の東海岸沿いを走ること2時間。トイレ休憩で、和平という駅に停車しました。ちょうど宜蘭県花蓮県の県境にある駅です。

台北からはなれ、花蓮へと近づいてきたことがよくわかるものを発見。
なんと、トイレのマークが民族衣装の女性になっています。


この衣装はアミ族の衣装です。

アミ族は母系社会なのですが、母親を「太陽(cidar)」と称します。
衣装に使われている赤色は「太陽」を、つまり「母親」を表しているそうです。



この駅には、「池上弁当」を売るお店もありました。

「弁当」はそもそも日本から影響を受けてもたらされたものです。中でも、池上弁当は、日本統治時代から続く歴史あるお弁当で、台湾のお弁当屋さんの先駆的存在です。
もともとこのお弁当は、台東県池上駅のホームで売られていたもので、かつては花東線の利用者が必ず池上駅で買い求めたと言われています。

昔は竹の葉を利用して包まれていましたが、今は木箱の中にご飯が入っています。

池上弁当は、国鉄沿線だけでなく、街中にも何軒か見かけました。宅配サービスも行っており、市民に言わずと知れた人気のお弁当屋さんのようです。





さて、私たちはトイレ休憩で立ち寄ったこの駅で素晴らしい出会いを体験することになります。

かわいらしい少年がいたので声をかけ、しばらく遊んでいたところ、その少年がおばあちゃんを連れて私のところへやってきました。



するとおばあちゃんは、日本語をしゃべり始めました。
驚いていると、この近くには今も日本語を話す人が住む部落が3つあることや、自分たちはタイヤル族であるということなど興味深い話をしてくれました。そこで島村先生も会話に参加して、話をするうち、おばあちゃんとそのご家族の方の住むタイヤル族の村に連れて行ってもらうことになりました。
案内をしてくれる人がいなければ決していくことができないような場所に、たまたま案内してもらえることになり、一同大興奮です。



彼らの住む、「澳花」というタイヤル族の村での出来事は非常に多くの発見に満ち溢れており、濃密な時間を過ごすことができました。「Ⅱ.タイヤル族の村」、「Ⅲ.タイヤル族の村で出会った人々」という記事で報告していますのでご覧ください。






 澳花をでたのは17:30ごろ。次なる目的地、アミ文化村へ向かって出発です。
走ること1時間半。19:00すぎにアミ文化村に到着。



アミ族の文化を体感できる、アミ文化村で、私たちはアミ族の踊りを鑑賞しました。

アミ族最大のお祭りであり、収穫を祝う豊年祭のときに行われる踊りが中心でしたが、婚礼の儀の再現などもあり、とても華やかでした。


アミ族は、台湾の14民族のうち、最大の人口を誇る民族です。
台湾の原住民は、運動神経がよい、歌がうまい、など優れた身体能力を備えており、芸能界やスポーツ界で多くの人が活躍しているそうです。

アミ族の歌は、なんと1996年アトランタオリンピックのテーマソングにもなっていました。



婚礼の儀の再現に神原君、秦君が参加しました。ふたつの飲み口がついた柄杓で同時にお酒を飲むことで誓いを交わしています。

後半は、ゼミの皆で踊りに参加させてもらいました。


ホテルに戻って解散後、各自夕食へ。

花蓮の街並みは想像以上の賑わいぶりでした。



参考:台湾原住民デジタル博物館(http://www.dmtip.gov.tw/JP/Amis.htm,2011年10月24日にアクセス)



担当:加藤、水口