関西学院大学 現代民俗学 島村恭則研究室

関西学院大学大学院 現代民俗学 島村恭則研究室

ある創価学会信者のライフヒストリー−伊丹市在住T・Y氏の事例−

ある創価学会信者のライフヒストリー伊丹市在住T・Y氏の事例−

山口友梨子

【要旨】
本研究は、創価学会員であるT・Y氏のライフヒストリーを聞くことで、実際に創価学会員はどのように生活し、活動に参加しているのかを明らかにしたものである。
本研究で明らかになった点は、次の通りである。


1.三重県は軍需工場があったために、よく空襲が起こった。
2.日本の建築様式の主流は和式だったが、戦後の1960年代〜1970年代にかけての時に主流が洋式へと変わった。これにより使われる材料も大幅に変わった。木造住宅から鉄筋住宅が主流になり、この頃にコンクリートが普及し出した。
3.バブルがはじけた頃から新築の建築物はかなり少なくなり、建築関係の業者はリフォーム業界に参入したり、元々ある建物の修繕の仕事が多くなった
4.創価学会日蓮正宗に破門される前は、静岡県にある富士大石寺創価学会にとって重要なお寺であり、列車を創価学会員で貸切り、日帰りで富士大石寺へ訪問するなどの行司が行われていた。
5.創価学会では人と人のつながりをとても大事にしており、その人とのつながりが私生活や仕事など様々な場面で見られる。

【目次】


序章 4
 第1節 問題の所在4
 第2節 創価学会とは 4
  (1)創価学会の歴史4
  (2)創価学会員のつとめ5
  (3)創価学会の組織構成6
 第3節 本論文で出てくる「金物」7
  (1)本論文で出てくる「金物」とは 7
  (2)金物の流行と変遷 8

第1章 阿漕で育つ11
 第1節 小学校時代 11
 第2節 中学校時代 12
 第3節 高校時代13
 第4節 西井石油での勤務15

第2章 西宮へ−山本金物店−16
 第1節 下積み時代16
 第2節 独立を目指して17

第3章 独立−谷口金物店−19
 第1節 高度経済成長期の建設業19
 第2節 バブルとその崩壊21
 第3節 現在23

第4章 創価学会信者としての半生38
 第1節 妻と創価学会38
  (1)入会のきっかけ 38
  (2)入会してから 40
 第2節 創価学会での活動40
  (1)富士大石寺訪問40
  (2)創価学会内の「教学部任用試験」41
  (3)T・Y氏の地区長経験42
(4)T・Y氏の妻のグループ長経験42

結語 46
文献一覧48
あとがき49


【本文写真から】

T・Y氏が今までに書いた図面。


店の正面の入り口を入ってすぐの所。


 事務所の正面の在庫置き場。


 創価学会で使われている御書。




【謝辞】

本論文を執筆するにあたり、T・Y氏とT・Y氏の妻には貴重な話を聞かせていただき、写真も撮らせていただくなど、大変お世話になりました。お二方の協力がなければ本論文を制作することはできませんでした。深く感謝いたします。本当にありがとうございました。