関西学院大学 現代民俗学 島村恭則研究室

関西学院大学大学院 現代民俗学 島村恭則研究室

2010年度春学期「多文化・共生論」シラバス

2010年度春学期「多文化・共生論」のシラバスです。
2010年度ゼミ3回生のうち、これまでに「多文化・共生論」を受講をしていない人は、必ず受講してください。


「多文化・共生論」

副題:多文化日本の民俗学


講義の目的:
日本の社会・文化は、みなさんが考えているよりもはるかに多様です。本講義は、身近にありながら、しかしあまり知られていない事実を多く取り上げ、多文化民俗学(文化の多様性を正面から扱う民俗学)の視点から、日本の社会・文化の多様性について考えることを目的としています。


到達目標:
1.民俗学の視点から日本の社会・文化的多様性について基礎的なフィールドワークを実施できる、2.民俗学の視点から日本の社会・文化的多様性についての基礎的事項を説明できる、の2点です。


講義内容:
以下の講義内容を、全15回(原則)の講義の中で順次とりあげていきます。ただし、メリハリをきかせつつ、テキパキ進めるので、必ずしも各項目が各回に対応しているわけではありません。各項目を、「前倒し」的に、順次、とりあげていくことになっています。

1.民俗学とは何か
1−1.「古典的な民俗学」と「現代的な民俗学」の違いは何か
1−2.多文化民俗学とは何か
1−3.民俗学のフィールドとしての都市

2.多文化民俗学のフィールドワーク
2−1.大阪環状線の多文化民俗学
2−2.水都大阪の多文化民俗学
2−3.関西私鉄の多文化性
2−4.阪神競馬場武庫川団地・ニッケパークタウンの謎
2−5.神々の等高線―西宮の景観調査から―
2−6.「生駒の神々」vs.「門戸厄神清荒神中山寺
2−7.そばめし・ぼっかけ・肉てん―港都神戸の多文化民俗学
2−8.「業界研究」―企業の多文化民俗学
2−9.B級グルメの多文化民俗学
2−10 まとめ―多文化・共生の民俗学


評価:
中間レポート「まちかど民俗学」(5月に実施)30%、期末レポート「多文化民俗誌(エスノグラフィ)」(7月に実施)70%。出席は毎回とります(学期開始時に各自希望の座席を選択の上、固定。以後、毎時間、着席調査による出席確認を実施)。全講義回数の3分の2以上の出席を単位取得の最低条件としています。なお、私語があった場合、私語発生時点以降の当該学生(私語をした学生)の成績評価を0点とする。


受講にあたっての注意:
この授業は、内容はかなりおもしろいですが、受講ルール(出席重視、私語はもちろんありえない、など)については非常に厳しいです。「やる気のない人」と「やる気の足りない人」は最初から受講しないほうが無難です。もっとも、厳しいとはいっても、ふつうの常識を以って授業に臨めば何も問題はありません。「ルール」を厳しく定めているのは、みなさんの授業の受講環境を最良のものとし、授業の質を保証するためです。「ルール」が守られている限りにおいて、この授業は、むしろ非常に楽しい授業になっています。